不確かなもの

その苺になった頭をピラニアに喰われたところでちょうど僕は起きた。どうしてピラニアなんかがいるんだ? とても不思議に思った。けどそれ以上に不思議なのは僕に何も変化が起きていなかったことだった。僕には手も足もしっかりあったし、傷1つなかった。地面はどこもひび割れていなかったし、校庭の鉄棒もサッカーグラウンドにもなにも変化がなかった。唯一変わったところは野球グラウンドのところに1本の金属バットが落ちていたことだ。でもそれも僕が見落としていたものかもしれない。 僕は左手のスウォッチの腕時計を見た。時刻は1時24分を差していた。僕は死んでいない。僕はまたあの日常に戻るのだ。大きな溜め息を吐いて、もう一度周りを見渡してみた。そこには黒髪の女の子がたっていた。