チュンチュンと小鳥が囀る声が聞こえる。
楽しそうに会話をしている様だ。

「ん〜…」

淡い光に照らされて暖かな布に横たわっている少女が一人。
重たいまぶたをゆっくり開けてどこか憂鬱そうに目を擦る。
しばらくぼーっとしてふと窓の外を見つめる。

「今日もいいお天気だわ。」

そう言うと暖かな布からふわりと起き上がり、丁寧にベッドを整え始めた。

「よしっ!」

鏡の前に座り髪をとかす。
清い空色の髪を朝日が優しく照らしている。
少女は気持ちを切り替えた様子でくるりとベットを背にしてとある場所へ向かった。
地下への扉を開き冷たい階段を素足で降りていく。
ペタペタと足音が周りの空間に響き渡る。
一定の場所に置かれた蝋燭がゆらゆらと妖しげにゆらめき少女を照らし、それはまるで少女を地下の奥に誘っているような雰囲気だ。
奥までたどり着きある扉の前で足を止めた。扉は豪勢な装飾が施されていてそこには古代文字のようなものが刻まれている。少女は扉に手をおき唱える。
「汝。この呼び掛けに答えよ。我は大いなる空を統べる主なり。今この時、扉を開きたまえ…。」

その瞬間辺りは光に包まれ 、重たい扉が奥に開いた。
しばらくすると光は消え、奥には大きな空間が広がっている。辺りは暗く、真ん中には青く淡い光を放った物凄く大きい水晶が1つ浮かんでいる。大人が1人たった状態で入れるぐらいの大きさだ。
少女はその水晶に何のためらいもなく近づく。
ピタリと水晶の前で止まると手のひらを水晶に当て、ゆっくりと目を閉じた。
すると水晶から強い光が溢れ出し少女を包み込んだ。

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