「...そうか。零央に羽南ちゃんみたいな子がいて安心したよ」
嬉しそうに微笑んだお父さんに、なんて言えばいいんだろう。
言葉が、すぐ出てこない。
「零央、本当にごめんな。これからは自分のことだけ考えて生きていけばいい。自由に生きていけばいい。おれのこと忘れたっていい。幸せになってくれれば...それだけでいいから」
泣きそうになりながらも言葉を発するお父さんは今、きっと辛いかもしれない。
だけど、それは越えなければならない壁だったに違いない。
きっとその先に、また新しい何かが見えてくる。
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