「麻耶が亡くなってからは、とにかく早く借金を返そうと思って仕事を掛け持ちしてきた。子供達の負担にならないように早くしないとって思って」
「...俺ら兄妹が離れ離れになったのは?」
「沙耶はまだ高校生だから、麻耶の親戚の人に頼んだんだ。孝太郎は社会人1年目だったけど、麻耶の死をきっかけに一人暮らしし始めて...」
「俺は家を飛び出したもんな」
...えっ、そうだったの...!?
私には家売ってって言ってたけど、、その前に飛び出してたからか。
「零央、借金のことは気にしなくていいから。隣の彼女のこと大事にして幸せになってね」
そう言って私を見てきたお父さんと目が合う。

