…瞬間、背中に誰かからのドロップキックが決められた。 「会長のモンに手ぇ出してんじゃねえよ!!」 倒れた自分の側から聞こえる声。 それに顔を上げると一人の男子生徒がいた。 「…勘違いしないで下さい。 これは不当な書類なので、代わりに捨てようとしただけです」 背中からじんじんとくる痛み。 体を起こしつつ、しかめっ面で彼を見る。 きつい目付き、杜若の髪、着崩した制服…。 整った顔立ちをしているせいか、その格好のせいか、睨むとそれなりに様になっている。