「何度も言うけど、お嬢様って呼ばなくていいんだよ。
昔みたいに『ヒメ』って呼んで?」



そんな彼女に冗談っぽく言うと、「お嬢様の頼みでもそれは駄目です」というお決まりの台詞。
その返答に何となく寂しくなるのもいつも通り。



「やっぱり駄目かぁー…。まぁいいや、行ってくるね」



在校生は早めに学校へ行き、式の準備をしないといけない。
私は彼女に笑顔をみせて家を出た。



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