普段の基礎練をギュッと凝縮した朝練が終わった。
予鈴が鳴る前に、と急ぐメンバーの背中を見て私は部室の鍵を閉めた。
「姐さん!!」
男バレの部室の方からドタドタと足音が聞こえてくる。
「荷物お持ちします!!」
私の前にひざまづいて、両手を差し出した。
この男の名は片桐雄輝。男バレのメンバーのひとり。…………私と同じクラス。
何があったのかは知らないが、私のことを「姐さん」と呼ぶ。
「……わかったわ。お願い」
「はい!!」
ちなみにこれは、朝練後の恒例イベントである。
雄輝が好んでやっていることだから、私はもう口出ししていない。
*
予鈴2分前、2年4組の教室に2人で入った。
「おー、片桐またやってんなー」
「毎朝大変よねぇ」
2人分の荷物を抱えている雄輝。それとは対照的な手ぶらの私に、クラスからそんな声が聞こえる。
違う。私は人を下僕にして扱う趣味は無い。
「姐さん、どうかしました?」
「……何でもない」
興味の視線と冷たい視線を無視するかのように、私はどっかりと自分の席に座った。
予鈴が鳴る前に、と急ぐメンバーの背中を見て私は部室の鍵を閉めた。
「姐さん!!」
男バレの部室の方からドタドタと足音が聞こえてくる。
「荷物お持ちします!!」
私の前にひざまづいて、両手を差し出した。
この男の名は片桐雄輝。男バレのメンバーのひとり。…………私と同じクラス。
何があったのかは知らないが、私のことを「姐さん」と呼ぶ。
「……わかったわ。お願い」
「はい!!」
ちなみにこれは、朝練後の恒例イベントである。
雄輝が好んでやっていることだから、私はもう口出ししていない。
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予鈴2分前、2年4組の教室に2人で入った。
「おー、片桐またやってんなー」
「毎朝大変よねぇ」
2人分の荷物を抱えている雄輝。それとは対照的な手ぶらの私に、クラスからそんな声が聞こえる。
違う。私は人を下僕にして扱う趣味は無い。
「姐さん、どうかしました?」
「……何でもない」
興味の視線と冷たい視線を無視するかのように、私はどっかりと自分の席に座った。
