厨二病血液の妹【ハイキュー‼︎】

普段の基礎練をギュッと凝縮した朝練が終わった。


予鈴が鳴る前に、と急ぐメンバーの背中を見て私は部室の鍵を閉めた。





「姐さん!!」




男バレの部室の方からドタドタと足音が聞こえてくる。




「荷物お持ちします!!」




私の前にひざまづいて、両手を差し出した。




この男の名は片桐雄輝。男バレのメンバーのひとり。…………私と同じクラス。

何があったのかは知らないが、私のことを「姐さん」と呼ぶ。




「……わかったわ。お願い」

「はい!!」



ちなみにこれは、朝練後の恒例イベントである。

雄輝が好んでやっていることだから、私はもう口出ししていない。











予鈴2分前、2年4組の教室に2人で入った。


「おー、片桐またやってんなー」

「毎朝大変よねぇ」


2人分の荷物を抱えている雄輝。それとは対照的な手ぶらの私に、クラスからそんな声が聞こえる。


違う。私は人を下僕にして扱う趣味は無い。



「姐さん、どうかしました?」

「……何でもない」


興味の視線と冷たい視線を無視するかのように、私はどっかりと自分の席に座った。