自室に荷物を置いて、雅との夕食タイム。


両親は仕事で夜遅いため、いつも2人で食べるのである。



美味しい美味しい雅の手料理を一口含み、ふとこんなことを思う。





『今日のメインは、ホッケの塩焼き』




俺は目の前で黙々と食べる雅に話しかけた。








「なぁ雅」



「……何?」



「お兄ちゃん、そろそろサ「秋になるまで待って」







畜生。雅に、そろそろサンマの塩焼き食べテェなと思ったことがバレてしまった‼︎



さっすが俺の妹。称賛に値する。だが好物のため…… ここは引き下がらないぞ俺!
(雅に悟られないよう、真顔で思ったハズ)




「でもよぉ、今は輸入品とかで一年中出回ってんじゃん。そこをなんとか…………」



俺が懇願したところでも、雅の表情は崩れない。

だが我が妹(天使)は救いの手を差し伸べた。







「…………海に行けば、タダで獲れる」






ソレガアッタ----- (*゚▽゚*)
土曜日の部活休みを使えば……








「…………そして溺れてタヒねばいい」


「ヒドイ」









上げて落とされた(?)俺は、こんなことは日常茶飯事ながら、ピクリとも動けなくなってしまった。




「……ごちそうさまでした」




手を合わせて立ち上がり、食器を片付けた雅は、キッチン兼ダイニングルームからスタスタと去っていく。




俺は無常にも、ひとり取り残されてしまった。