中庭に着くと、みんなの目が輝いた。
……と同時に、何かがここに現れた。
「姐さん、昼メシ買ってきましたっ!!!」
雄輝だった。全速力で走ってきたのだろう、
けど息は乱れていない。流石スタミナお化け。
「ありがとう。お金、後で返すね」
「いや、金は真琴からもらった!」
「……!」
少し驚いて反対側を見ると、朝比奈真琴が微笑みながら座っていた。
「大丈夫、これぐらいの出費なんて気にしてないから。ご飯買うの、雄輝に行かせた方が早いと思ってね」
中性的な顔立ちでさらりと言う。
「その通りだ。雅絡みになると無駄に張り切るからな」
「無駄にってなんだよ!」
秀介の言葉に、雄輝が食いつく。
その時、真琴によく似た顔の、朝比奈美琴がポツリと呟いた。
「…………もうこんな時間だ!」
各々、時間を確認すると、昼ご飯を食べるには少し足りなくて。
「「急げ〜〜!!!」」
みんな目の色を変えて、ご飯にがっついた。
息つく間も無い、昼休みだった。
