そして昼休み。
なんの因果か、トイレへ向かう途中ばったり虎にあった。
ネクタイを外し、シャツのボタンもはだけている。そこからのぞく鎖骨が妙にカッコいい。
髪はオレンジ色のふわふわした猫っ毛で、耳につけてるゴールドのピアスがキラリと光ってみえた。
格好はだらしないのに、ぜんぜんだらしなく見えないのは、整った顔に清潔感があるからだ。
虎はさっきと違う女子の肩を抱いて歩いてる。大人っぽくて色気があるから、先輩かもしれない。
軽いくせに、本当よくモテる。虎のモテって、天賦の才能じゃないかと思う。
将来はこれを生かして、No.1ホストかジゴロにでもなればいい。私には関係ないけど。
そんなわけで、澄ました顔ですれ違おうとしたのに、なんと虎は話しかけてきた。
「おー、優香じゃん。久しぶり」
実は1年のとき、同じクラスで席も近かったからそこそこ仲は良かった。
虎は気さくな性格だし、私の方も、虎を通してとーたの情報を少しでも得たいという、打算もあって。

