*
翌日。
教室へ入ると、真っ先にゆーちゃんを見つけた。巻いていたマフラーとカバンを机に投げすて、前の席のゆーちゃんの肩をたたく。
「おはよう!」
「……はよ。……優香、き、きのうのことだけど、あれは…」
「いいの、それはいいの」
すごく気まずそうなゆーちゃんの手を握って、じっと顔を覗いた。
「私の勘違いだったら謝るけど……もしかしてゆーちゃんて、とーたが好き?」
「………っ!」
思ったとおり、みるみるゆーちゃんは動揺して赤くなった。
(やっぱり、そうだったんだ!)
「ぜんぜん知らなかった……」
「……ぜんぜん、言わなかったからね……」
ゆーちゃんは投げやりに、手を離そうとしたけど、私は離さなかった。
「私、きのうのことで自分の気持ち気づいたの。今まで、ずっととーたのこと好きじゃないって言ってきたけど、本当は好きみたいなの」
「………………は?は!?」
「でもね!ゆーちゃんも好きなんだったら私に遠慮してほしくないの!だから考えたの。…………私と勝負しよ!?」

