ナンパボーイズ



「……っ」

とーたにはこれまで何度も触れられてる筈なのに、今日がはじめてのようにドキッとして、熱くなった。

そんな私の手首を引っ張って、とーたは難破荘の玄関をあけた。

「……え!?…ダ、ダメ、ちょっと待って、部屋には上がらない!いま頭んなかメチャクチャで………!」

(どーしよー……もし、ほんとにとーたを好きになったらきっと離れられなくなる…………すごくすごく好きになっちゃいそうで…………困る!そしたら、ゆーちゃんは………)

「ちょ、待って!困る!」

でも抵抗する私の腰を、とーたは軽々抱えあげた。

「知るか黙ってろ」

もういつものSキャラに戻ってる。

「い、いま私、どきどきし過ぎておかしくなっちゃう!」

「勝手におかしくなれッ」

「待って、待って、待ってぇぇ‼」