不良に囲まれるなんて、人生初の出来事。ごくっと息をのんだ。
でも彼らは私とゆーちゃんには目もくれず、前に立ってるとーたに、腰を折って頭をさげるとこう叫んだ。
「東田くん、チワす!」
ひとりが言うと、まるで合図みたいに「チワす」「チワす」の嵐。
びっくり呆然。
このシノギを終えたヤ◯ザの若頭みたいな扱いは何事!?あらためてとーたが怖い。
「汚ねぇツラ揃えて何やってんだお前ら」
「いやー、することなくて暇なんスよー」
「東田くん、たまには集会来てくださいよー」
「そうそう、東田くんがいないと女どもも寄ってこねぇし」
私なんか恐ろしくて目も合わせらんない人たちが、機嫌をとるような顔で、愛想よくとーたに話しかけてる。
(これってとーたの人望?…………それともとーたが怖いってこと……?)

