ナンパボーイズ



(でもタバコやめてなんて言えないし)

「……あ、そういえば、虎くんとケンカしたって本当?」

沈黙が重くて、なにか話題がないか考えた。

けど、選択をミスったかもしれない。"虎くん"と聞いたとたん、とーたの声が不機嫌になったから。

「…ンでお前知ってんの?」

「な、なんでって……噂で…」

「……ッ」

「あ、別に虎くんから聞いたんじゃないよ?こないだだって、ただ話してただけで…」

「ホテルでか」

「………は、はぁ!?行ってないよ!誰がそんな噂流したのか知らないけど、デマだからね!」

「あっそ、どーでもいいけど」

とーたは素っ気なく吐き捨てると、もう私から目線を反らした。

こんなに近くにいるのに触れてもこないし、優しさの欠片もない。それどころか、気安く触るなとか言うし。

ときどき、私はこの男の何なんだろうって本気で思う。家来?ペット?おもちゃ?

(なんにも愛情を感じないんですけど……)