私じゃない女の子…………。
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授業の終わりを告げるチャイムがなると、先生が出ていくより早く、カーデの後ろをちょんちょんと引っぱられた。
振り返ると、後ろの席の優香がぱんっと両手を合わせて拝むポーズをした。
「サイフ忘れちゃった!どーしよ、ゆうちゃん!?お願い、お昼のジュース代貸して!?」
ちろっと苺みたいな赤い舌をみせて、お願いのポーズをする優香。こういうの男子が見たら『萌っ』って思うのかな?
「しょうがないなぁ。いいよ。一緒に売店行く?」
「うん、いくいく♪」
優香はにっこり笑顔で私の手をとった。猫みたいに、くるくると表情が変わる。
この子の名前は伊藤優香。私の後ろの席で、親友。
そして、私の名前も伊藤優香だ。

