「ごめん我慢限界。じれったくてフライングしちゃった」
制服のうえに羽織ったパーカーから、雪の匂いと体温が伝わってきて、目眩を起こした。壁やテレビがぐるぐる回って見える。
(雪の心臓バクバクだ)
「雪は………私のこと、好き?」
「うん」
「…す、好き?」
「うん、とっくに好き」
「………!」
雪はその大きな手で、私の頭と肩をしっかり掴んだ。それでいて、壊れ物に触れるような、優しい抱き方だった。
だからそれが嬉しくて、ずっと胸に秘めていた思いをやっと口にできた。
「ずっと不安だった。私は雪の何なんだろう……って」
「………何って?」
「ふたりで会ったり、手を繋いだりするけど……みんなの前では絶対に話しかけてもくれないし、」
「………………え、ちょっと待って?」

