ナンパボーイズ



長い前髪の隙間から、そんな甘い瞳でじっと見つめられてもだめ。

「そ、そういう意味でつぶったんじゃないよ!」

心の準備がまだ…………いやそれ以前の問題!

(だいたい雪はなんで私を部屋に呼んだのかな?まさか…………変なことを……?)

「…っばい、やばいやばいやばい」

「え?」

まだ胸が落ち着かない私のまえで、急に雪は顔を覆った。口のなかで、まるで呪文のように『やばい』を繰り返しながら。

「雪?」

「ヤバい、いま雨弓ちゃんに触られるとヤバいから」

「…え?」

「ごめんね、いきなりキスして?怒ったよね?ね?許して」

「…………」

怒ったんじゃない、驚いただけ。でも、私ははじめてで心臓が壊れそうなのに、雪はそうじゃないみたい。

キスに慣れてるみたいで、それがちょっと悲しい。

「……別に気にしてないよ……………でも、………何て言うか…………」

黙りこんだ私のかわりに、雪が言葉を繋いでくれた。

「オレね、ヤバいんだ。やっぱ部屋はまずかったかも。雨弓ちゃんと3秒以上目が合うとヤバいんだよ」