雪と繋がったイヤフォンから、2曲目が始まったとき、ちょうど予鈴のチャイムが廊下から聞こえてきた。

「お昼休み終るよ?」

「……んー、もう終わりぃ?」

「だって、急に呼ぶから…」

「んー…戻りたくない、もっと雨弓ちゃんといたい」

まるでごろごろと咽を鳴らす子猫みたいな雪。頭をもたげたまま、そんな甘えた声出さないでほしい!

私の気も知らないで………………。

「だ、め、だよ。教室戻らないと」

雪の頭をおこす。栗色の柔らかな髪が指に触れた。

10㎝くらいの距離で目があう。

「……ん」