「え?」
ちなみにボクが、しえり先輩を狙ってるなんてことは、誰も知らない。
「だってボクはみんなのものだからねっ♪」
なんて、にっこり微笑んで質問をかわす。
本当はもうすこし、しえり先輩と話したかったけど、昇降口についてしまった。
「じゃあね」
「…あ、」
先輩は長い髪をなびかせながら、あっさりとボクをおいて、3年の入口がある方へと消えた。
(さっきの話をもっと聞きたかったのに)
「どうして八尋先輩と付き合ってるんだろ…」
「ん?なに?」
つい一人言をいってしまった。
「あ、いや…」
「なんかね、幼なじみなんだって。いいよね、そういうの」
すると雨弓先輩が思わぬ情報をくれた。
「そうなん…ですか?……どっちが告ったんだろ?」
「……うーん、色々あったからなぁ。……しえりちゃん…」
言葉をえらぶ雨弓先輩の目が、意味深に思えて、ますますふたりの過去が気になった。
(もっとしえり先輩を知れば、ボクにつけ入る隙があるかも…)

