*
文化祭が近づいたある朝。
校門の近くでしえり先輩を見かけた。20mくらい前を歩いてる。制服の波のなかにいても、すぐに見つけられる。
小顔なうえに手足がすらりと長くて、スタイルは抜群だし、姿勢も綺麗でオーラをはっしてるから。
周りのみんなが幼稚園児に見えるくらい、しえり先輩は美しい。本当、将来女優でもモデルでもなれると思う。
しえり先輩の近くに八尋先輩がいないことを確かめて、ボクは走りよった。
「せーんぱい!今日はひとりですか?」
「………」
先輩は首をひねって、自分よりも背が高いボクを見上げた。
「誰だっけ?」
「ボ、ク!」
「ああ。八尋んところの」

