そして、地面に人影がみえた。
「あ」
虎が唇を離して、私の背後の人物を見上げた。
(…ウソ!?誰か来た!?)
一瞬で頭が冷静になって、どうしょうか焦った。でも、その誰かが発した声は、さらに私の心臓を握りつぶした。
「虎。テメ何やってやがる」
怒りを圧し殺した、震える声。
振り返らなくても、彼が誰なのか分かった。
(これって……とーた!?)
そう思ったら、ビクッと体が痙攣して指先が冷たくなった。
私が、とーたの声を聞き間違えるはずない。
(でもなんで!?なんでとーたがここに!?)
わけが分からなくてパニックだ。
虎とこんなことをしてる姿を、よりにもよってとーたに見られるなんて!

