ナンパボーイズ



静かだった空間に、イヤフォンを通してアップテンポな音楽が流れだした。

なんていう曲なのか知らないけど、声も音楽もカッコいい。

雪はこういう音楽が好きなんだな。

そんなことを思っていると、雪の腕が私の腰にそっと抱き寄せた。ただでさえ頭を寄せ合ってるからますます緊張する。

まるで、雪に触れてる体の半分が燃えてるみたいに熱い。

微かに香るシャンプーの匂い、体温、息する音、しなやかな指、全部すき。

雪がすき。

私は、ぎゅっと目を閉じた。