悪夢がフラッシュバックして、ブルッと震えた。切れた口のキズはまだ痛む。
(しかもあんとき、難破荘に雪も那由多も八尋先輩もいたのに、みんなでオレを見捨てやがって!ったく、薄情な奴ら!管理人の大湖っちが止めてくんなかったら今ごろ葬式してたぜ!)
「アイツのせいでキスがしづらくてもー、大変」
さらりと言うと、優香に「サイッテー!」と頭を殴られた。
「痛って!サイテーはあの暴力男だろ?とーたのどこがそんなにいいわけ?顔?カッコいいもんね!まぁオレの次だけど」
「っるさい!」
「で?結局お前がオレに訊きたいことってそれ?」
すると優香は俯いた。瞳の奥に、暗いなにかを宿してる。
「あの子の方はどうなんだろうね」
「あ?」
「とーたが優香を好きなのは分かったよ。でも優香はどうなのかなぁ……って!あの子、天然ていうか少し変なとこあるから」
「変?…………まぁ、でもそういう子って、男からみると魅力的なんだよ。なかなか女には理解できないんだろーけどさ」
とーたの彼女・優香はなかなかエロ可愛い。とーたの彼女じゃなければさぞモテたろう。顔も雰囲気も男をそそる。
(……でもあんま褒めると、コイツますますいじけそうだから言わないけど)

