*
雪とその彼女・雨弓と廊下で別れ、教室へむかうと入り口に伊藤優香がいた。
とーたの彼女じゃない方の。
「何してンの?誰か呼ぶ?」
オレが教室のなかを指さすと、優香は首をふった。心なし思い詰めた顔に見える。
「あんたに用事があって」
「オレ?」
(そういやさっき訊きたいことがあるとか言われたっけ?)
「何?いい女でも紹介してくれるの?」
しかし、優香は気まずい顔で口ごもってしまい、なかなか喋らない。オレは廊下の隅に促した。
「どした?なんか言いにくいこと?あ、言っとくけどオレ金の相談はムリだからね。あ、それとも男でも紹介してほしい?」
「………」
どうやらそのどちらでもないらしい。
「じゃなに?………まさか告白?でもオレ、まだひとりのモノにはなりたくな」
「違う!!!!」
「否定すんの早くね?」
「と、とーたと……優香のこと……」

