ナンパボーイズ



はははって笑って流すと、雪の彼女が赤くなった。なんとも気まずそうな顔だ。

そういやこの子、これまで何度かニアミスしたことはあるけど、まともに口利いたことなかったな。

真っ黒なロングヘアを、いつもふたつに分けて結ってる。ひかえめな雰囲気。図書委員とかしてそうなタイプだ。

いきものがかり好きそうだな。
それに家でミドリガメとか飼ってそう。

(なんて名前だったっけなぁ…)

「…ええーっと、思い出した、あゆみちゃんだ!クラスは一組!」

いきなりオレがそう言ったからか、彼女は「え!?」っと驚いた。

「でしょ?確か"雨に弓"って書いて、"あ・ゆ・み"だよな?格好いいなーって思って覚えてた」

記憶からすくい上げた名前を褒めると、ますます雨弓は赤くなって照れた。

「…………びっくり……した。……あ、でも私、自分の名前嫌いで。名前に『雨』の字ってどうかと」

「なんで?格好いいじゃん。雨の弓ってRain-bowだよ、『虹』って意味じゃん?フランス語だとL'Arc-en-ciel!ラルクだぜ?オレの虎太朗なんて昭和な名前より、ずっと格好いいじゃん」