カタンッ――
そんなやり取りをしていたら、ふいに隣の美術室から物音がした。
「――!?」
はっとしてそちらに神経を集中させると、
『……ってよ………やだァ……やめっ……!」
はっきりとは聞き取れないけど女子の声がする。
(なに!?幽霊!?……なわけないか、誰か美術室にいる!?)
ちらっと目の前の雪を見ると、細い指を唇にあてて、『しいっ』のポーズを。
すると、また聞き取れない程度の声がした。ひとりじゃなく、男の声も聴こえた気がした。
(もしかして次に授業でつかうクラスがもう来たのかな!?)
見つかったらどうしようと思ったら、ドキドキしてきた。
しかし、どうやらそうではなかったみたいだ――
『……やめ…やだぁ…!っだめぇ……ん…っ…』
悲鳴のようにも聞こえる。
「ねえ、女子が襲われてるんじゃない!?」
一瞬そう思ったけど、雪はにやにやと苦笑いしてだけ。
「……?」
そしてその理由はすぐ分かった。美術室の声が、甘くて熱っぽい吐息に変わったていったから……。

