side由乃 「うっ...ぐすっ」 何て泣ける話なのだろう。 溢れる涙を抑えきれず、ただただ流す。 突然、佐伯が話し始めた話は佐伯の過去の話だった。 「さっ佐伯、アナタ、苦労してたのね...」 泣きながらも真っ直ぐ悲しそうに笑う佐伯を見つめる。 愛情のないシングルマザーの母親。 元父親の多額の借金の肩代わりをさせられてしまった家庭。 毎夜扉の向こうから鳴り響く怒声に、母親からの虐待。