「解放してあげる、会長。そんな気持ちすぐになくなるから。もうご主人様ごっこはおしまい」







いつものように佐伯がにっこりと微笑む。





だけどその目は今にも泣き出してしまいそうなほど悲しみに染まっていて。








「なくなったりなんてしない……この想いはなくなったりなんてしない!!私の想いの未来まで勝手に決めつけないで!!」







ムカついた。



どこか諦めたように笑い、私を突き放そうとする佐伯の態度に。





だから私は怒りで叫んでいた。







「なくなるよ?会長はバカだね」






クスリと笑い、佐伯が私に背を向ける。







バタンッ






そうして佐伯は私の家から出ていった。