***** ガチャッ 家に帰ってから何時間経ったのだろう。 最近夜遅くに帰ってくる佐伯を待っているとやっと玄関の開く音が聞こえた。 伝えよう。 この想い。 「佐伯……」 「あれ?会長?まだ起きていたの?」 私に声をかけられて佐伯が目を丸くする。 「……帰ってくるの遅すぎない?」 「えー?そう?前まではこのくらいまで遊んでたけど」 ふわりと私の前を通った佐伯から女の人の香水の香りがする。 今日もまた誰かの所へ行っていたんだ。