アンティークドール




父さんが先に家に帰ってなさいと言った


父さんは母さんを運ぶために来た救急車に一緒に乗って行ってしまった



俺は家に帰り着いた


『お帰りなさい』



さっきまで店にいたアンティークドールが目の前に立っていた



その空間だけが、静寂に包まれすべてが無のように静まり返っていた


「なんで…いるんだよ?」


『あやまりに…かしら?』


「あやまる…?」



その言葉が妙に引っ掛かって、少しの間考えてみた


もしかしてあの事故は……またアンティークドールのしわざか…?


そう考えると、怒りがだんだんとわきあがってきた