フワッと俺の目の前に姿を移すアンティークドール


目の前には綺麗に整ったアンティークドールの顔が



『さぁ…食べなさい?』


「むぐっ……!!?」


こんな容姿には考えられないほどの怪力


彼女の手に握られた【何か】をグリグリと無理矢理口に入れられる



「……っ!かはぁっ!」

『飲み込んだ…みたいね』



アンティークドールが満足げな笑顔を浮べる



ドクンッ……
````


【何か】が激しく身体の中で脈をうつ


ドクッ…ドクッ…!



脈は次第に高まり、息苦しさも増してきた


酸欠になる手前で、ドクドクと脈うっていたものは止まった



「…………!?」


何しやがったんだこのやろう!?


声が口から出てこない


ただ、唇はパクパクと動くだけ


『……あなたは…そう、人形で言えばジャンクになったのよ』


「……!?」



『ふふふ…二日間…声がなくてもせいぜいがんばりなさいよ、私を退屈させないように』



彼女は一粒のチョコを落として消えて行った


声が…なくなった…?