目の前に飾られる一輪の百合の花


強く気高く、透き通るように清い百合の花


それは俺の気持ちとは裏腹に、花瓶の中でりんと立っていた



勇垣 満 【ｲｻｶﾞｷ ﾐﾁﾙ】

普通に生きて普通に人生を過ごしている中学三年生だ


そして、俺が唯一平凡に生きていけなかったという点は彼女が昨日死んだという事だった


そう、猫のせいで



猫をかばって車の事故で死んだ


その時、俺の目の前の世界が【歪んだ】


誰よりも大切だった彼女

その人はもういない…