―ハルネ、はるね、変な名前。
―はるねって、何か意味はあるの?
―お母さんたち、テキトーに付けたんじゃない?
名前をよくからかわれた私は、自分の名前が嫌いだった。
だけど、いつも助けに来てくれる男の子がいた。
「はるね、ってすごくいい名前だよ。どうしてそんな酷いこと言うの?」
なんて、真面目な顔をして言うものだから
みんな何も言えなくなってしまう。
みんなが離れていったその後は、泣いてる私に必ずおまじないをかけてくれた。
たぶん、あのおまじないは、一生忘れない。忘れられない。
「はるねちゃんの心に、虹がかかりますように」
フユくん、会いたいよ
