最初はいくつか分からない、まだ幼く見えるベルを働かせる、しかも可愛い妹を飲み屋で。
それは無理だと渋ったジェミロだったが、根気強い説得に折れてしまったのだ。
警官がきたら、とか、幼児虐待だ、とか言われたらどうしようか、と頭を過ぎらなかったこともないが、ここ2ヶ月はどうにかなっていた。
手伝ってくれるのは嬉しいが、それでも今までは気が気じゃなかった。

が、今は、ベルは16なのだ、大人なのだ、と確信が持てる。
証人の二人と、ベルのあの似顔絵の覚書。
年代も年齢も書いてあるあれを見れば、誰が因縁をつけてきても、納得してもらえるだろう。
これからは今まで以上に堂々と、ベルと働くことが出来る。

「そっか、わたし、大人だったんだ……。
お仕事、セーフだったね、おねぇ!
それにしても、初お酒かぁ……!」

大人になったんだ、と喜ぶベルに、皆頬が緩む。