「あ、ジェミロ、自分の飯代と宿泊代くらいはしっかり稼いでくるから、その辺は心配すんなよ」

働かざるもの食うべからずってな! けけっと笑う。
ジェミロの心配は無用だったようだ。

「そうか、メロゥはそれが良いかもな。
あ、そうそう。ジェミロ、これ」

「ん?」

レイはメロゥの言葉に頷きながら、ジェミロに一枚金貨を手渡した。

「今日は受け取ってくれよな」

「これは……?」

昨夜のことを思い出して狼狽え、なかなか受け取ろうとしないジェミロの手に、ぎゅっと金貨を握らせる。

「当分の俺とメロゥの滞在費だ。
男二人が突然転がり込んだんだ、このくらい当たり前だろ?」

「そうだな、世話んなるんだ、取っといてくれ」