「ありがとう、レイ……!
その感じがいいな。
これからはこうやって普通に接してね」

ニコリと微笑むベルに、レイの頬も緩む。
姫にはいつでもその愛くるしい笑顔を浮かべていてほしい。

「へ~。それってじゃあ、俺も?」

「ん?」

「あ。ベルは覚えてるか?
メロゥだ」

2人のやり取りを聞いていたらしいメロゥが、部屋から顔を覗かせた。

「メロゥ!」

ベルは驚いた顔をして、のっそりと部屋から出てきたメロゥに抱きついた。

「懐かしい!
わたしのお兄ちゃんっ!」

女王の娘はベル一人だ。
なので勿論、実際に血の繋がった兄なわけではない。
親戚でもなんでもないのだが、彼は、ベルが兄のように慕っていた存在なのだ。