ジェミロからすると、ベルは確かに孤児院でたまたま出会った年下の女の子だけれども。
血が繋がっているわけれはないけれども。

5年も生活を共にして、本当の妹も同然だ。
一緒に頑張ってきた妹を、突然現れた男に連れ去らせるなんて、到底許せることじゃない!
彼女がいるからこれまで頑張ってこれたんだ、それを、それを……!

「出来れば国に帰り、国の復興を。
それが女王様とナイト様の願いでもありますし……」

……。
やっぱりそうなるのか……。
ジェミロはレイの言葉に、がっくりとうなだれた。
可愛い妹との、忙しくも楽しい日々は今日で終わりを迎えるって、そう言うことか……。

「え? 待って、レイ!」

「なんでしょう? 姫様」