「……。仕方あるまい。
確かに順を追って話しを進めるには、私から話し始めた方が良さそうだ」
青年の静かに話し始めた。
が、その話は、にわかに信じがたいものであった。
10年前に消えた、とある王国の行方不明の姫君、それがベルだと言うのだ。
「いやまて、お前いきなり何を言い出すんだ。
空想話に付き合うほど、こちとら暇じゃねぇぜ?
もっとまともなこと言いやがれ」
やっぱり変な奴だ……。
ジェミロはテーブルに片肘をついて顎を載せ、呆れた、と呟いた。
「嘘なものか!
ここに、動かぬ証拠がある」
青年が鞄から、丁寧な手つきで一つの包みを出した。
大事そうにそれを広げて出てきたものは、見たことのない硬貨と古びて黄色くなった世界地図、紋章の入った豪華な短剣と、一通の手紙、そして小さな少女の肖像画。
確かに順を追って話しを進めるには、私から話し始めた方が良さそうだ」
青年の静かに話し始めた。
が、その話は、にわかに信じがたいものであった。
10年前に消えた、とある王国の行方不明の姫君、それがベルだと言うのだ。
「いやまて、お前いきなり何を言い出すんだ。
空想話に付き合うほど、こちとら暇じゃねぇぜ?
もっとまともなこと言いやがれ」
やっぱり変な奴だ……。
ジェミロはテーブルに片肘をついて顎を載せ、呆れた、と呟いた。
「嘘なものか!
ここに、動かぬ証拠がある」
青年が鞄から、丁寧な手つきで一つの包みを出した。
大事そうにそれを広げて出てきたものは、見たことのない硬貨と古びて黄色くなった世界地図、紋章の入った豪華な短剣と、一通の手紙、そして小さな少女の肖像画。



