「や~ん、あっさり撃沈しちゃったぁ」

「ほ~ら、言わんこっちゃない」

「あたしの百戦錬磨伝説に傷がついちゃったわぁ」

元の席に戻った女は、カウンターに頬杖をつき、口を尖らせた。

「俺が遊んでやろうか?
今晩空いてるぜ?」

隣の豪快な男が拳に親指を立て、自分に向けた。

「あんたみたいなむさいおっさん、お断りよ」

「俺も撃沈じゃねぇか!」

「はいはい、撃沈同士、仲良く呑んでやがれってんだ!」

ジェミロは豪快にビールジョッキを二つ、二人の間にどん、と置いた。

「ジェミロも呑めよ、おごるぜ!」

「あたしは撃沈してねぇ!
勝手に仲間に入れんな!
でも、折角だからもらう!」

ガハハ、うふふ、と楽しそうに笑いながら、3人は乾杯した。