「ベルちゃん、ここが一番すきだったもんな」

「確かに。感慨深いな」

メロゥもレイも、当時のベルを思い出していた。

木の下で駆け回ったり、こんな大木に小さな体で登ってしまって周囲をハラハラさせたり、木陰で昼寝を始めたり……。
とにかく小さなベルはこの場所が大好きだったのだ。

「本当、泣き虫姫のくせにお転婆なんだからな、ベルは」

手間がかかったよなぁ、メロウ? と、くくっと笑いながらからかうナイトをむっと睨みつける、成長したお転婆姫。

「……子供が元気なのは良い事じゃない。今はしないわよ、多分」

「多分かよ」

あーあ、とナイトは大げさにため息を吐き出した。

「そ、それはそうと、次は何をするの? メロゥ。
取り敢えずお城はできたし……。次、次、ね?」

話をはぐらかすようにレイから視線を外し、メロゥに話しかけるベルにメロゥも苦笑いだ。

「そうだなぁ、次は……」