ベルとレイが欲しがった情報が、メロゥから流れ込んできた。
それを2人の力で具現化してゆく。

暫く3人で抱き合い、目を開けたとき、メロゥは声を上げた。

「こ、これは……!」

周囲を見渡して、さっきとは微妙に違う広間を見渡す。

「広間くらいは覚えてると思ってたけど、ちょっと違ってたんだな」

レイはさっきよりも濃い色になった絨毯をしげしげと見つめた。
2階に続く階段も、段数が減っているような気がする。

「凄い……!メロゥって記憶力が良いのね!」

メロゥを褒めちぎる笑顔のベルの横で、レイは面白くなさそうに鼻を鳴らした。

「こいつの取り柄は剣と記憶力だけだからな」

「充分だろうが。
ベルちゃんありがとう。
レイ、お前はどうしても俺に文句を言いたいんだな? ん?」

ヤキモチも大概にしろ、と、メロゥがレイを小突いたところで、ベルがあ、と小さく声を上げた。