「なくても出来んだよ、ほら、やるぞ」

レイがベルを抱きしめた。

「メロゥ、お前に抱きしめられるなんて心外だし、ベルに触れられるなんて嫌だけど、今だけ許してやるよ」

レイが早くしろ、と言いたげにメロゥに目配せした。
やれやれ、と肩をすくませて、大柄なメロゥは、抱き合う細身な2人を包み込むように抱きしめた。

「これでいいのか?」

「おう。場内の鮮明なイメージを、俺とベルに送ってくれ」

「お願い、メロゥ……」

ぎゅっと強く目を瞑り、3人は暫く抱き合った。
半信半疑ながらも、メロゥはイメージを出来る限り細かく思い浮かべる。

「わ、来た、かも……?」

「俺にも来た。さすがベル、やっぱり望めばなんでも出来る力の強さがあるな……」