確かに、好きな女性の周りを男がうろちょろしていたら、心穏やかではないだろう。
メロゥは納得したように頷いた。
しかも一つ屋根の下で、生活を共にしている。
毎食ジェミロの手料理を食べ、昼は弁当まで持たされているメロゥは、ああ、やきもきしてるんだろうな、と安易に想像がついた。

「ちょっとジェミロに頼りすぎてるかな? 心配なら俺達出てこうか?
あ、メロゥは申告したら城に住めるじゃないか!
俺は近くに宿でも借りるし。
ああ、でもベルが……」

再度唸りだしたレイに、シュシュは首をぶんぶん左右に振った。
いい気はしないが、心配がないならそれで良い。

「や、家族や仲間だと言い切るのなら……。
大丈夫、です」