「お前、ジェミロのこと、よっぽど好きなんだな」

「え……?」

レイの一言に男がうろたえる。
顔が真っ赤だ。

「ほらだから、お前、デリカシーがないって」

「デリカシーなんて知らないって言ってるだろ」

生き別れて探してた?
男は謎のワードを頭の中でぐるぐるさせながら、さっきの言葉を頭の中で繰り返す。
「ジェミロのこと、よっぽど好き」
な、なんでバレる?

男は狼狽えている。

「この人、わかりやすいな」

「えーっと、確か名前は……」