「あのっ!」

「俺だって嫌じゃないけど、いきなり敷居が高いよな。
せめて可愛いベルが一緒だったらなぁ……。

はぁ、なにが悲しくていかついおっさんと二人で野菜選んでんだよ」

レイの失礼極まりない一言はいつものことだ。
メロゥは特に気を悪くするでもなく、苦笑いを浮かべた。

「お前なぁ……。

ベルちゃんもジェミロも、予約の団体客用の仕込みで忙しいんだから。
文句言わずに野菜くらい選べよ。

それともお前、仕込み手伝えるのか?
重たい野菜、ベルちゃんに持たせるつもりか?

あ、そうなると俺とベルちゃんが買い出しだけど」