「お前達なぁ……!」

ジェミロは男とレイをぎろりと睨んだ。
が、紅い顔で凄まれても微塵も怖くない。

「あー怖い怖い。
俺、向こうのテーブル片付けてくるわ」

軽口を叩きながらさっさとその場を離れて行くレイの背中を、男は面白そうに見やった。

「ジェミロ、面白いヤツ拾ったな」

「……まぁな。
それより、もういらんこと言うなよ?
お前、今日はいつも以上に喋るよな」

酔ってるだろ? 呑みすぎだ!
と、ジェミロは男のジョッキを奪った。

「いやなんか進んじまってよ~」

「メロゥは強いからな。
同じペースで呑んだら酔うぞ?
全く……酔っ払いやがって。仕方ないな」

「がはは! それ先に言えっての!」

こうしていつも通り、楽しく賑やかな時間は過ぎていった。