*紗夜side*




「あーあ。私も恋がしたいなぁ。」


ため息まじりに呟いた。



思えば私はこの16年間一度も恋をしたことがな
い。



というのは嘘。私はずっと片思いをしている。
その相手は家が隣同士で幼馴染のの龍だ。



龍は昔からよくモテる。
でも、なぜだか彼女は作らないらしい。



まぁ、そんな感じだからホッとしてるんだけれどね…。



こんなことを考えていると



「そんなこと言って〜、龍くんとはどうなの?笑」



親友の楓がからかってきた。



楓は高校にはいってからの親友だ。



楓は優しいし、成績優秀、容姿端麗。
いわゆる完璧な人だ。



私とは大違い…。



(いつ見ても楓は可愛いなぁ〜私も楓ぐらい可愛かったら龍も…ってなに言ってるの私!)



「べっ別に?!なんともないよ!!てか、なんで龍?」



「いや、仲良いし?笑」



楓がニヤつきながらこちらを見てくる。