白で覆われていた空がだんだんと灰色に変わるを眺めながら歩いていると、あっという間に黒みを帯びた空に変わり、灯りなしでは歩けないほどになっていた。
しかし、アースは薄暗闇の中を造作なく進んでいく。
剣術は幼いときから習っていた。
剣を握り、構えるだけで心が軽くなるのを感じる。
その瞬間が好きだった。
練習すればするほど、勝てば勝つほど、剣術の鍛練にはまっていった。
そんな幼少時代があったため、アースの技術はなかなかなものでそうそう勝てる者はいないだろう。
しかしアースは、そんな自分に満足していなかった。
もっと、もっと
強くならなけばならない
大切な人たちを守り抜けるように…………
アースの青い瞳は既に真っ暗となった空を見上げたが、その瞳には何も写っていなかった。

