アースは微笑んで、少女の頭を撫でてやる。

少女はお金をくれるのだと、顔を明るくする。



しかし、アースは金を渡す気はなかった。

一人一人に渡していたらきらがない。






アースはしゃがみこみ、少女に視線を合わせると、その小さな手のひらにあめ玉をひとつ、転がした。





そして、何も言わずに立ち上がり、また歩き始めた。

後ろで少女の声が聞こえる。それに答えることなく、アースは歩き去った。




しかたがないと、自分に言い聞かせ。

そして、同時に例え何年たとうと、いつか自分が何とかしとみせると、心に誓うのだった。