「次のテストでは、必ず負けないからな!!」
憎しみの籠もった声でそう宣言される。
「…………どうぞ、」
俺は母上にあんな事、言われない限りは最下位近くにいる予定だからな………
と、心の中で言葉を付け加える。
しれっとした態度のアースに、ルイスはさらに憎しみを覚えた。
だが、言いたいことを言えたので顔を歪めて不敵な笑みを浮かべながら去って行った。
「アース!待ったか?悪いな、待たせて」
ルイスと入れ代わりにラルフが教室に入ってきた。
「…………別に」
アースは、ルイスのことについて考えながら冷たく言う。
この態度を、不思議に思う。
いつも教室では明るく、周りの生徒からも一目置かれた存在のアース。
しかし、時折明るく振る舞うアースが嘘の存在のような、静かな、そしてどことなく切ない表情を浮かべることがある。
なんだろう、と思う。
テストだってやればできる。これは、今回のテストや今までのテストでも何回か首席をとって証明している。
比の打ち所がないアース。
なのに、なぜ迷っているゃうな顔をするのだろうか?

